水中ウォーキングの効果

ご存じのように水中では浮力という力が働きます。重力による体への負荷を軽くし、筋肉や関節への負担を軽くします。腰や膝などに痛みのある人、肥満や麻痺のある人などでも比較的楽に体を動かすことができます。一般的に水深がおへそ辺りだと体重の50％、胸のあたりだと70％体重はカットされます。ですから、変形性膝関節症など体重がかかると関節が痛む方や、筋力が弱っている方でも、歩行運動が出来るのです。普段ではなかなかできない大きな動作で、体の筋肉を動かすことができます。重力下では立位をとることが出来ないような麻痺のある人でも立位をとることが可能になります。

全身、特に下肢（第2の心臓と呼ばれる「ふくらはぎ」に適度な水圧がかかる）から心臓に血液を戻す作用を助け、一回の拍動で送り出す血液の量も増やす作用があります。結果的に心拍数や血圧が下がり、運動中の心臓への負担が軽くなります。また歩行運動で収縮と弛緩を繰り返し循環が良くなり、浮腫みを軽減させることが出来ます。

水中で関節を動かす運動を行うと抵抗がかかり負荷になります。水中に立っているだけでも全身の筋肉のバランスが良くなりますが、鍛えたい部位を動かすことで筋肉に負荷をかけることができます。特に早く動かすと大きな負荷になり、ゆっくり動かすと軽い負荷になりますし、浮力を利用すれば重力下では運動できないような麻痺のある方でも関節運動が可能になります。その人に合った適切な運動ができるのです。

温熱効果、冷却効果も調整すれば可能です。また運動による消費カロリーが高くなり（地上での歩行の約2倍）、地上と同じ時間歩行したとしても、消費カロリーは2倍になりますのでダイエット効果が期待できます。水中ではあまり汗をかいた感じがしませんが、運動の前後では適量の水分補給をお忘れなく。