遅れてやってくる筋肉痛(遅発性筋痛)
2022/05/09
多くの方が一度は経験したことのある筋肉痛。慣れない運動をしたり、自分にとって負
荷が大きな運動をしたあとは、筋肉痛になることがあります。翌日であったり、または2,3日してから痛くなることもあります。筋肉痛が友人より早く来たことで「まだまだ若い!」と喜んだり…(これば俗説で年齢とは関係ないようです)
筋肉が痛くなるのは様々な原因で起こります。筋の病気、肉離れ(筋の断裂)、打撲による筋傷害、筋疲労、筋の痙攣、感覚の障害、風邪や発熱の症状、内臓疾患に関連したもの…など。
痛みが強いときや長引く場合は、必ず医療機関を受診するようにしましょう。
今回は運動後しばらく(1~3日)してから起こる筋の痛み(遅発性筋痛)について解説します。
遅発性筋痛は、筋肉を圧迫したり動かしたりしたときに痛み、運動してから1~3 日後に痛みは強くなり、7~10 日で消失します。その原因は筋などの損傷や炎症と考えられていますが、実ははっきりした原因は解明されていません。ではどんな運動で筋肉痛は起るのでしょうか?
登山を経験したとき「下りの方が脚にくるなぁ~」と感じたことはありませんか?
様々な研究結果から筋肉が収縮した状態で、その筋が伸ばされるような運動(遠心性収縮、伸張性収縮などと呼ばれます)で起こりやすくなります。少し難しいですが、たとえば階段を上るときは太ももの前に筋肉は収縮しながら長さは短くなっています(求心性収縮、短縮性収縮)。しかし階段を下りる時、支えになる側の太ももの前に筋肉は、力が入った状態で筋肉の長さは伸ばされています。この遠心性収縮は実際に、筋の線維1本1本には、縮む運動よりも大きな負荷がかかっているのです。
こんな実験があります。
Aグループは高層ビルの最上階まで階段で上り、エレベーターで降りてくる。
Bグループはエレベーターでビルの最上階まで上がり階段で降りてくる。
次の日実験に参加した人に集まってもらうとBグループの人だけに筋肉痛が発生していたというのです。
筋線維が炎症を起こしてもすぐに痛みとして現れないのは、筋線維自体に痛みのセンサーがないからだと思われます。筋肉痛は筋線維の束を包む筋膜に多く存在するセンサーが感じていると言われています。筋線維の遠心性収縮によって、筋線維が微細な損傷を受け、炎症が起こり、痛みの原因となるプロスタグランジンなどの物質が放出され、筋膜のセンサーが痛みとして認識するものと考えています。
筋肉痛の対処法ですが、
①熱感がある場合には冷やす
②特に強い熱感や腫れがなければ、完全安静より、極軽い運動を繰り返す
③ビタミンB群、ビタミンCなどや良質なたんぱく質を摂る
※強い熱感や局所の腫れがあったり、運動した覚えがないのに筋肉が痛んだり、1週間以上続くような筋肉の痛みは、他の外傷や疾患が隠れている場合もありますので、必ず医療機関を受信しましょう。
そのほかに筋肉に痛みが現れる病気としてウイルス感染によるもの、薬剤によって引き起こされる横紋筋融解症、筋性疾患などがあります。これらの病気は運動によって生じる筋肉痛とは異なり、専門的な治療を必要とします。そのため、“運動をした覚えがないのに筋肉に痛みを感じる”“なかなか痛みが改善しない”といった場合には一度医療機関を受診することをお勧めします。
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